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Channel: lizminim
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誰かに鼻で笑って欲しくて

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 この春,大学院を卒業して学生という肩書きを失い,”社会人”となった。 いつだったか昔,社会人って、或いは20代ってなんだかキラキラしていて,”大人”っぽくて、そんな姿に憧れや希望を抱いていた覚えがある。いざそれになってみると,月並みな感想だが,そんな立派なもんでも無い。

親父と一緒に上京した2022/3/25。
成田空港から船橋へ向かう電車の中。 上京に伴い、これで別れだまた再会だのとの連絡で携帯端末の電池の減りが早かった。 向かいの席に座っていたにいちゃんが英単語張を忘れそうになっていた。
それを急いで追いかけた。いいことした気分になった。宝くじでも当たらないかなと思った。

そういえば、中学時代いつも一緒に馬鹿やってた友人がいた。 卒業してからは疎遠だしきっと今世で会うことも無いだろう。 彼は「めちゃくちゃかっこよくて渋いおっさんになる」って言っていたな。 俺はどうなるんだろうか。

そういえば、最近になってようやく自分のことが少しわかった気がする。
ある言葉がどうにもリフレインし続けて,あぁ俺に足りないものはこれだったのかと。 いつもひとりよがりで,いつも自分のことしか考えていなかったなって。

そういえば、「絶対に結婚できるよ。」って言ってくれた奴のツラがチラついて仕方がない。 ベタつく温い風に当たると、バツの悪そうな彼方の表情と間抜けな声を思い出す。女々しい思い出みたいでキッショいのはわかってるんだけど忘れられないものは仕方ない。 だから来世は適当な返事をせずに、その時より幾分かマシな回答をしようと思う。

だけどそんな思い出や気持ちも明日には忘れているかもしれない。 だから明日の朝、忘れてても少しでも思い出せるように。


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